大船駅前の商店街の角地に建つテナントビル。あたりは居酒屋、ファストフード、ドラッグストア、銀行、学習塾、コンビニ等あらゆる業態の看板がギラギラと光っています。誰もがスマホで情報を得られる現代でも、相変わらず悪目立ちする広告物の嵐です。
「雑多な街並をここから美しく変えていきたい」というクライアントのモチベーションに、この街角から応えたいと思いました。
そこで、最大限の貸床面積に最小限の共用部、ALCの外装という典型的なテナントビルの構成要素を許容しつつ、廊下や階段を外廊下と外階段として建物の外周にまわし、利用する人々の姿が露出するようにしました。
建築が人々のアクティビティを露わにすれば、建築そのものが商いを伝える手段に変わるはずです。商いと人のつながりを視覚化することで、街角の風景が変わって欲しいと思います。