滋賀県甲賀市に建つ、地域住民のための集会所。敷地は田園を宅地開発した新興住宅地の一角ですが、辺りには旧くからの住民の家々も並んでいます。昨今、地方は過疎化、都心はシングル世帯化が進み、自治会が盛んな地域は少なくなりましたが、この町は自治が活きているため、老人会、夏祭り、地蔵盆など多岐に老若男女が集会所を使っています。だからこそ、ホールはあらゆる住民にとって等価な場にするべく中央に配しました。ホールを下屋の諸室が囲み、事務室とキッチン、縁側を介してホールは道に開きます。町全体を巻き込む祭りの日には、部屋を開け放ち、ホールはダイレクトに町と繋がります。新旧の住民がフラットに集まれるノーコンテクストな建築、町のランドマークとなる建築をめざしました。