郊外のロードサイドに建つ住宅設備機器のショールーム。敷地が面する国道246号は道幅が広いうえに交通量が多く、また商業施設が建ち並んでいるため、この国道を境に敷地の背後に広がる住宅街が分断されています。
本計画では、建てることで分断するのではなく、逆に建物により街をつなげられないかと考え、「大小の住宅が集まり大きな建物をつくる」というアイデアに至りました。住宅のスケール感をもちながらもロードサイドで埋没しない存在感のある建築です。
建物はクライアントのブランドロゴにも使用されている家型を大小異なるサイズで重ね合わせ、入れ子状の構成としました。建物の中にいながら、家と家の間の路地にいるような感覚。内外の関係が曖昧な場所。建物の内と外をつなぐことで、道行く人がふらりと入りやすい建物としました。
道行く人が立ち寄りたくなる立ち姿と、もう一度来たくなる空間体験。単なるショールームの枠を超え、地域の人々をつなぐ公共性の高い場所となることをめざしました。